ラボグロウンダイヤモンドは、研究室(ラボ)で成長(グロウン)したダイヤモンドです。正式な名称はラボラトリーグロウンダイヤモンド(Laboratorty Grown Diamond)ですが、ラボラトリーを略してラボグロウンダイヤモンドと呼ばれるのが一般的です。
他にも、合成ダイヤモンド、人工ダイヤモンド、ラボクリエイテッドダイヤモンドなどと呼ばれることもありますが、基本的には同じものです。
合成ダイヤモンドという名称から、ダイヤモンドではない模造石のように誤解をされることがありますが、ラボグロウンダイヤモンドは正真正銘「本物の」ダイヤモモンドです。
(その為、誤解を招きやすい合成ダイヤモンドという名称は現在ではほとんど使われておらず、海外大手鑑定機関などをはじめラボグロウンダイヤモンドという名称が使われています)
「本物の」ダイヤモンドの意味は、天然ダイヤモンドと『化学的』に同一の物質ということです。
物理的、化学的特性
ダイヤモンドは炭素の結晶です。つまり炭素原子(化学式 C)同士が強力に結びついて、地球上で最も硬い鉱物であるダイヤモンドになっています。天然ダイヤモンドもラボグロウンダイヤモンドも同じ炭素原子が3次元の共有結合をして結晶化しています。
一方、ダイヤモンドの「模造石・類似石」と呼ばれるキュービックジルコニアやモアサナイトは二酸化ジルコニウム(化学式 ZrO2)や炭化ケイ素(化学式 SiC)が原料となっており、全く異なる物質であることがわかると思います。
天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドは同じ炭素原子が同じ構造で結晶化しているものですから、もちろんその物質的特性は同一です。上記の表のように、同じモース硬度(硬さ)、同じ屈折率と光学分散(輝き)を持っています。天然ダイヤモンドと同様、ラボグロウンダイヤモンドも"永遠の輝き"なのです。
天然ダイヤモンドとの違いは?
天然ダイヤモンドは地球の奥深くのマントル層で炭素が結晶化することによって誕生します。ラボグロウンダイヤモンドは、地上の施設で同じように炭素を結晶化させることによって誕生します。ですので、天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの違いは「成長する(結晶化する)場所」で、それ以外に違いはありません。
これは、冬の湖に張った氷と冷凍庫で凍らせた氷の違い、または森に咲いた野生の蘭とグリーンハウスで育てた蘭の違いのようなものです。